内実コンブリオ






何より気になったのは、そんな会話を交わした後でも、変わらない仲で居られるということだ。

周りから見ても気づかれない程、何も無かったかのように居られた二人が、自分には不思議で仕方がない。



「青春だね…」

「まあ、そういう時代もあったらしいね。思い出すだけで、顔が熱くなるわ」



栗山くんは顔を真っ赤にして、手をパタパタとさせて仰いでいる。

そんな彼を見て、思わず笑ってしまう。



「かわいい」



笑いながら、つい自分はそんなことを言ってしまった。

そうすれば、栗山くんは膨れっ面になる。

なんだか、子どもみたいだ。



「かわいいとか言われても、あんま嬉しくないんだけど」

「ご、ごめん。ごめん」
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