内実コンブリオ
仕事帰りに、二人でやって来た美味しいもののあるお店。
それは、お好み焼き屋さんだった。
自分を慰めるために、森緒ちゃんが提案してくれた。
しかし、落ち込んでいた当本人である自分は、既に元気を取り戻していた。
お好み焼きの良い匂いに、気分も上がり気味だ。
「おいしょー。お。見て見て、森緒ちゃん。うまくいったよ」
「ちょっと!華、本当にもう大丈夫なん?!」
「あ、昼休みのときは、ごめん…本当に。えっと、もう大丈夫みたいです」
自分は森緒ちゃんに、苦笑いを向ける。
落ち込んでいるのを察してもらえるなんて、なんて幸せ者なんだろう。
申し訳なくも思う。
森緒ちゃんは呆れて、溜め息を吐いた。
「もう…心配して損した。角野さんに、何か言われた訳っちゃうんやんな?」
「うん、それは大丈夫。ありがとう」
自分がそう言っても、森緒ちゃんとしては納得がいかないようで、こちらをじっと見つめてくる。
同僚で友人の彼女だけには、自分の近況を伝えなければ、と何故かしら思う。
彼女だけには。