マリンシュガーブルー
尊が二階を見上げた。久しぶりに宗佑と目が合ったようだった。
「マスター、お久しぶりです。また食わせてください」
「もう、マスターじゃないっすよ。義理弟になるんだから。そうでしょ。義兄さん」
尊が満面の笑みになる。え、え、どうして弟にはそんなとてつもない笑顔になるの? 初めての笑顔も宗佑にだったし、胃袋も宗佑に掴まれちゃっているし。
「弟ができて嬉しいよ。男兄弟がいなかったもんだから」
「それは俺も同じ! 兄さん、これからいくらでも俺の料理食べていいから。もう客じゃないからな! ほら早く入って。メシ、作ってあるから」
「いや、嬉しいな。宗佑君の料理がこれからずっと食えるだなんて」
もしや最大のライバルは弟かと思ってしまう!
「初めまして、莉子です」
お腹が大きな莉子とも初対面。莉子も制服姿の尊がお兄さんになると大喜び。
「尊さん、私、パティシエの卵だから甘いものいっぱい作ってあげます」
「ほんとうですか。俺、甘いものも大好きなんですよ。これまた嬉しいな」
甘党の尊も大喜び。その彼が玄関で靴を脱ぐ前に、美鈴と宗佑と莉子に敬礼をする。制帽の脇にびしっとした敬礼の手。
「自分は、愛しい妻と美味いメシを作ってくれる弟と甘いものを作ってくれる妹ができて幸せです」
厳つい男の幸せそうな笑顔は、そこにいる誰をも笑顔にしてくれた。
今日は特上マリンシュガーな日。
◆ マリンシュガーブルー 完 ◆
「マスター、お久しぶりです。また食わせてください」
「もう、マスターじゃないっすよ。義理弟になるんだから。そうでしょ。義兄さん」
尊が満面の笑みになる。え、え、どうして弟にはそんなとてつもない笑顔になるの? 初めての笑顔も宗佑にだったし、胃袋も宗佑に掴まれちゃっているし。
「弟ができて嬉しいよ。男兄弟がいなかったもんだから」
「それは俺も同じ! 兄さん、これからいくらでも俺の料理食べていいから。もう客じゃないからな! ほら早く入って。メシ、作ってあるから」
「いや、嬉しいな。宗佑君の料理がこれからずっと食えるだなんて」
もしや最大のライバルは弟かと思ってしまう!
「初めまして、莉子です」
お腹が大きな莉子とも初対面。莉子も制服姿の尊がお兄さんになると大喜び。
「尊さん、私、パティシエの卵だから甘いものいっぱい作ってあげます」
「ほんとうですか。俺、甘いものも大好きなんですよ。これまた嬉しいな」
甘党の尊も大喜び。その彼が玄関で靴を脱ぐ前に、美鈴と宗佑と莉子に敬礼をする。制帽の脇にびしっとした敬礼の手。
「自分は、愛しい妻と美味いメシを作ってくれる弟と甘いものを作ってくれる妹ができて幸せです」
厳つい男の幸せそうな笑顔は、そこにいる誰をも笑顔にしてくれた。
今日は特上マリンシュガーな日。
◆ マリンシュガーブルー 完 ◆


