猫と手毬
まず僕が買ってきたかぼちゃに黒いシールを立樹は貼っていく。



かぼちゃって食べ物だよね…?



さっきみたかぼちゃとかは光ってたけど…



「おし、これでジャック・オ・ランタンの完成。」



そういってさっきの不気味なかぼちゃの小さいやつを見せて来た。



さすがに怖いって!



「それから…藍くんにも仮装してもらわなくっちゃ。」



そういって僕にさっきの小さな黒いマントを被らせる。


「ぴったりだね!そしたら腰にベルトを巻いて…」



僕の腰にベルトを巻いてそこに星のついた棒をさしてくれる。



「最後にさっき買ってきてくれたピンを頭につけてあげれば…完成!」



僕は鏡をみて自分の姿にびっくり。



「魔女猫藍くんの完成!頑張った甲斐があるなぁ。」



僕はつい鏡をぺたぺた触ってしまう。



これ本当に僕?



「そろそろみんな来るかな?」



え?そろそろ?何が来るんだろう…



「らんくん!おじさん!とりっくおあとりーと!」



そういって前に来てくれた女の子が来た。



「来たね優夢(ゆめ)ちゃん。優夢ちゃんも仮装してきたんだね。」



「えへへ!そうなの!ありすっていう女の子なんだって!あ!藍くんは魔女だ!」



そういって僕のマントを触る。



「優夢ちゃんに頼み事があるんだけどいいかな?」



「なになにー?」



「この後の商店街のパレード藍くんと一緒にまわってあげて?」



立樹は僕と目を合わせると「楽しんでおいで」というように笑ってくれた。



「いいの?!らんくんと一緒にまわれるんだ!やったぁ!」



そういって僕達は他のお店に行ったりして色んなお菓子を貰った。



「とりっくおあとりーと!お菓子くれなきゃいたずらするぞー!」



「にゃー!」



そういうとみんな「可愛いアリスと魔女が来たぞー!お菓子あげるから許して!」といってお菓子をくれた。



ほんの1時間ぐらいだったのにもう外は薄暗い夕方になっていた。



優夢ちゃんも楽しそうにしてくれたし僕も凄く楽しかった。



今さっきまで怖かったかぼちゃも今は笑顔で可愛くみえる。



暗くなっても僕達はまわって楽しんだ。



「らんくん凄く楽しかった!また遊ぼ!」



最後はそういってくれたから僕も「にゃー」と鳴いてまたねといった。



「おじさん!らんくんきっとまたねって言いたいんだと思うの!また来てもいい?」



僕の言葉が通じた!



「大歓迎だよ。藍くんもきっとそう思ってる。またおいで。」



そういって優夢ちゃんとはバイバイした。



「優夢ちゃんと仲いいね。今日は楽しんでこれたんだろう?」



僕は元気に「にゃー!」と鳴いた。
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