猫と手毬
「藍くん。なにしてるんだい?」



そう言って僕の隣に腰を下ろす。



僕の隣にある手毬をみて立樹は首を傾げる。



「またイタズラしたのかい?廊下の棚から出してきたんだろう?」



僕はその通りだと言いたくて「ゥニャー」と鳴く。



「うーん…藍くんが持ってきたならきっと意味があるんだよね。黄色と白のグラデーションの紀州手毬…あ。」



わかったのか窓の方に手毬をかざす。



「月だ。月に似てたから持ってきたんだろう?」



立樹わかってくれた!



僕は立樹の膝の上に乗っかって月と月の横にある手毬を交互に見る。



「確かに似てるね。藍くんは本当に手毬が好きなんだねぇ。」



僕は立樹の膝の上で丸くなる。



何故か立樹といると凄く落ち着くんだ。



「藍くんも手毬みたいに丸まって…眠いのかな?」



時間はわからないけど短い針が9の近くをさしてて長い針が5の所をさしていた。



僕は夜の方が動けるはずなのにもう瞼が重い



立樹の膝の上は暖かくて落ち着く。



それに立樹が僕の体を優しく撫でてくれる。



瞼も重くなり目の前はどんどん暗くなっていく。



僕の体を優しく撫でてくれる暖かい手は僕の事を抱えて僕がいつも寝るクッションの上に乗せてくれた。



でももう眠くて仕方ないや…



僕はそのまま眠りについた。


< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop