まりあ様のおみちびき~秘密の妹は農家の天使⁉~

第6幕・愛すべき村犬《サモエド》【訳・うちのサモが可愛すぎる】

。.:*:・'°☆

第6幕・愛すべき村犬《サモエド》【訳・うちのサモが可愛すぎる】

。.:*:・'°☆

 9月になりし。
 相変わらず畑は草だらけなり。
「あー大変だー」 
 草刈り機の轟音響きし畑。
「「供物」供えよ」
 我真夜中色の供物《なすび》摘みたり。
 農園、トマト、ししとう、ピーマン、ミニトマト、なすび植えたり。
「あ、ガブリエルさん!」
 話しかけし声あり。
 それ、村長の灰崎あまね嬢なり。
「野菜売って~」
 灰崎さんは駆ける。
「御意」
 我頷きし。

。.:*:・'°☆

 此処はケーキカフェ【おとぎ】。
 灰崎嬢の実家なり。
 店長の灰崎カゲロウ氏、コーヒー淹れる。
 我畑で育みし紅き供物《トマト》、ここでケーキにせし。
 トマトのレアチーズケーキ、美味なり。
「わんわん」
 家で飼いしサモエド、犬用クッキー食す。
「やはりこのカフェはいいな」
 黒森さんリラックス。
「おばあちゃんとよく行った」
「花子さんなり?」
「やっぱり知ってるんだね。さすが天使」
 黒森さん頬笑む。
「おばあちゃんはよく言ってた。「マリア様が畑に天使を連れてくる」って」
 なるほど……。
 すると、カフェに幼稚園児くらいの幼い子来たり。
「そんちょー」
「あ、副村長」
 灰崎嬢、敬礼し。
「最近話題になってるゆるキャラの件なんだけど……」
「ふむ」
「白霧さんちで飼ってるサモエドのべに君にしようと思ってるの。でも、インパクト足りなくて……」
「なるほど。あ、そうだ。ならあそこの犬は?」
 灰崎嬢うちの犬《サモエド》指さし。
「いいね」
 幼稚園児云う。
「うちは別にいいけど」
 黒森さん云いし。
 早速白霧さん宅のべに君、会いにいく。
「わんわん」
「くうんくうん」
 意気投合し。
「よし、このふたりをゆるキャラにしましょう」
 副村長云いし。
「よし、では白霧神父と黒森さんとガブリエルさんをゆるキャラ親衛隊に任命する!」
 灰崎嬢云いし。
「え、それ聞いてないけど……」
「村長命令です!」
 黒森さんがっくし。

。.:*:・'°☆

 後日、つるとべにのゆるキャラ就任式駅前ではじまりし。
「人あまり来ないねー」
 副村長。
「一応ブログもはじめたんだけど……」
 灰崎嬢いう。
「くうんくうん」
 犬二匹に喜ぶ子供ら。
「…まあ、いいか」
「うん」
 村長と副村長云いし。
 すると、駅から降りし影あり。
「あ、誰かきた」
 黒森さん云いし。
「若い人だ」
 おお。
 我感嘆す。
 その美少年、見目麗しき。女性のような身形。帽子で顔隠せども美貌隠せず。
「あ、伊藤堅固《いとう・けんご》さんじゃないですか」
 黒森さん云いし。我吃驚《びっくり》。
「あ、花音さん。無事お兄さんと会われたんですね」
 伊藤堅固《美少年》云いし。
「え?」
 驚く黒森さん《兄》

 周章てる我。
「なんだなんだ?」
 村人達も吃驚《びっくり》
「いえ、花子おばあちゃんからの依頼で、妹さんをみつけだしたんですが…どういうことでしょう?」
 周章てる伊藤君。
 あっという間に嘘暴かれる。

< 6 / 11 >

この作品をシェア

pagetop