告白の時間
「?いたでしょ?さきちゃんのところ行けば会えるよ?」

生島さんが麦茶をすすめながら言う。

「はい、会うには会ったんですけど追い出されちゃって…」

「何やらかしたの花園…」

深谷さんの闇をも見通す深い瞳で見つめられると、話さずにはいられなくなる。先輩怖いっす…

「実は…」

鳴海のメールの所からざっと大まかに説明する。始終、生島さんは穏やかに微笑んでいて、対照的に深谷さんは表情一つ動かさない…まぁ、いつもだけど…

「そっか~鳴海君がね~にわかに信じられないなぁ~」

のんきに生島さんがコメントする。

「…それ、虚言じゃないの?」

深谷さんが目をふせながら、スルドい推察をしてきた。

「実はオレもそうかなと思う所があって…でも千歳は本当だって…」

「うん…だから鳴海君は、花園と千歳さん二人に対して何かを画策してるんじゃないかな」

「え?それって何ですか?深谷さん」

「さぁ、そこまでは…」

だとすると一体、鳴海が意図している事とはなんだろう?…確かにものすごく自分、心ゆすぶられたけど…あれ?なんでだろう…?

「これは第三者から見た方が、見えるかもしれないねぇ~当事者は混乱中のようだし。一つ聞いてもいい?花園君」

生島さんが笑みをくずさずに、梨をすすめながら言った。
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