元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました
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定時退社して、市民オケの練習に参加した翌朝。
私は通勤ラッシュ前の電車の座席に座りつつ、悩んでいる。
まずい。
まずいぞこれは。
昨日、コンマスに釘を刺されたのだ。
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集合時刻ギリギリで、オケの練習場所である公民館の大部屋に飛び込んだ私を迎えたのは、笑顔の三神君だった。
三神君は我が市民オケが誇るコンマス。
コンマスはオケのリーダー。会社組織に例えるならば、社長みたいなもの。
おまけに、ヴァイオリンパートのリーダーでもあるから、社長が所属部署のトップも兼任してるような感じ?
三神君は、私が大学4年生の時の1年生。
年下なのに逆らえない雰囲気、まさに絶対権力者の風格。威張ってるわけではないけど、『僕に従ってもらいます』オーラが醸し出されている。
「藍沢さん、今日トップサイドお願いします」
トップサイドとは三神君の隣で弾かされること。
当然指揮者の目の前でもある。
久々の出席でそれはないでしょう!と思ったけれど、ヒラ社員の私ごときでは服従するしかない。