元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました
ラフマニノフ作曲、ピアノ協奏曲第2番。
冒頭はピアノのみで奏でられる。
音量は小さいのに、音は重い。まさに鐘が遠くで鳴ってる。そこから、じわじわ質量が増してくるクレッシェンド。たった数小節の序奏で胸に迫るものがあって泣きそうになるって、やっぱりこの人のピアノすごい。
大砲のような重い和音が鳴らされ、第1主題へ。オケの裏でピアノは伴奏。低音は重く鐘を打ち、高音の細かい音は夜空の星のように散りばめられていく。
ここで、あ、この演奏好きだな、と思った。
期待を裏切らず、次々と複雑なフレーズを切れ味よくスッパリ弾ききっていく。こんなに音の粒がひとつひとつキラキラ輝いてるこの曲の演奏は初めて聴く。譜面の音をすべて鳴らすとこんな曲だったんだ、と目からウロコ。
くどすぎずスッキリ、クール。でもちゃんとパッションを感じる。ほら、ここ、たっぷり歌い、頂点手前でほんの少しタメて、焦らす。やっぱりこの人のセンスたまんない。
あ、ここいいな。
うわぁ、胸キュンきた。
わぁ、すごい疾走感。
何これこの曲こんなに素敵な曲だったんだ!
やっぱりすごいなこの人!
琴線にふれるっていう表現があるけど、まさにそれ。何度も何度も琴線に引っかかっていく。
あーやっぱラフマニノフすごいや。いい曲書くわ。名曲だわ。今までごめんなさい。全面降伏。
オケ部分もいい。まず、指揮が好み。ピアノ同様しつこすぎずスタイリッシュ(指揮者は、中堅ではトップクラスの山崎和弥だ)。国内一流のオケマン達もピアニストを認めてがっぷり四つな感じ。
いいなぁ、オケとピアノ。
いいなぁ、ピアノ協奏曲。
こんな風にぐいぐい心を揺さぶってくる演奏をきくといつも、芸術家のエネルギーってすごいと思う。
アマチュア演奏家の端くれとして、こんな風に人の心に響く演奏がしたい、という気持ちは持っていよう。
数えきれないほどの、いいな、が積み重なっていき、曲が終わる時にはこの曲が大好きになっていた。