笑いたい。
花梨回想 side ---1年前

「杏美〜!パス!」

「花梨!ナイスシュート!」

パンッ

「2人っていつも一緒だよなー。」

「いいでしょ?別に!ね?花梨!」

「え、あ、そうだね。」

茜に声をかけられて…とまどってしまった。

「じゃーな!花梨も置いてかれないように頑張れよ?」

「なに?あの言い方!!ひどい!花梨は気にしなくていいからね!」

「え…?あーうん。」

私が返事をすると…

「早くストレッチしよ?今日も疲れたぁ!第1先生が厳しすぎ!」

と、やっぱいつもの1日だ。

1年生で私と杏美だけレギュラーになった。別に上手かったとか、ミニバスやってたとか全くなくて、ただただ、コンビがいい!という理由で先生に認められた。

まぁ、杏美のかわいさが一番の理由だとは思うけど…。

「ね、花梨?何ぼーっとしてんの?」

「え?あー、ごめん。疲れすぎて…えへへ」

そういって作り笑いをすれば

「そっかぁ…今日は特に疲れたもんね!」

と、信じてくれる。

「帰ろっか!」

いつも、その杏美の一言で帰る私達。

もう、7月っていうのにもう外は真っ暗。
まだ、6時になったばっかだよ?
いや、まだ7月、もう6時。

別に夜が嫌いじゃない…むしろ好きな私にとっては嬉しいことでもあるけど…。

「花梨?かりーん!」

あ、杏美がなにか喋ってたぽい。

「やっぱ、今日の花梨おかしいよ?なにかあった?」

いっそのこと全部話そうかな?

先輩と他の1年はとっくに帰ってていない。辺りはシーンとしてて、私たち以外、花咲学園の人は誰もいない。

「あのね…杏美に話したいことがあるの。」

「?」

「あのね私、」

ふぅー、なんか告白する前みたい。

「その…あ…あか…茜のことが…ね…す…す…すき……なの…。」

「ふはははは!そっかー!茜くんのことが好きなのか!」

杏美はそういって、笑い始めた。

え?なに?おかしいの?

「それで?告白はしないの?」

いや、私の質問に〜って、あっ、質問してなかった…。

てか、え?告白?こくはく?kokuhaku?告白ですよね。聞き間違いかな?きっと極上ローストビーフって言ってるんだよね?

「だーかーら、告白はしないの?」

なわけ、ありませんでした…。

「告白!?するわけないじゃん。」

「でも、いつかはするんでしょ?」

「いつかはね?」

「そっか、そっか!あのね、実を言うと私もねいるの!好きな人!」

「え?誰?教えて〜!」

「うふふ…。私ね…奏汰くんのことが好きなんだ…。」

奏汰か、奏汰…、奏汰?そうたぁぁぁ〜!?

「奏汰のことが好きなの?」

「声でかい!」

あ、驚きすぎておおごえになっちゃった。

「奏汰なのか…!」

「う、うん。恥ずかしいな…。」

恥ずかしそうに顔を赤らめた杏美。

「告白は?するでしょ?」

「うーん、私もいつか…ね?」

「そっかー、でも、奏汰、きっと杏美のことが好きだよ!」

「……なわけないじゃん。(ボソッ」

え?杏美今、なんて言ったんだろー?

「なんて言ったの?」

「え?いや、何も言ってないよ?」

そういって笑顔になる杏美。

やっぱ、さっき、ちょっとだけ顔が怖かった気がする…。
でも、大丈夫だよね!きっと!

「あっ!バス来た〜!花梨、私先いくね!」

「うん!あっ!私のも来たー!ナイスタイミング!じゃあ、バイバイ!」

「うん!また明日〜!」

そういって別れた私達。



____その時はまだ気づいてなかったんだ…。徐々に厚くなってるその壁に。だんだん崩れてるその足場に。


----花梨回想 side. end



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