華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~



「――お帰りなさい、アレク」

それから俺はソフィアの部屋へと戻る。

俺が頼むと言ったからかエリスはずっと約束を守って、ソフィアの傍にいてくれたようだった。

「ソフィアは?」

「変わらず、よ。でもとても気持ちよさそうに眠っているわ」


ソフィアの傍へと行き、顔を覗いた。

その寝顔は、純真無垢な少女のよう。

トクリと胸が鳴る。


「アレクも戻ってきたことだし、私は部屋へ戻るわ」

「ああ。長い時間ありがとう」

「ううん、どうってことないわ。あなたも無理をしないでね」


エリスは私にそう告げると部屋を出ていった。


部屋の中にはふたりだけになる。

俺は床に膝をつき、ソフィアの手を握った。


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