華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~

「おはようございます、ソフィア様」


翌日、ナディが手に王子からの贈り物を持ち、部屋へやってくる。
加えて今日は、贈り物の他にも手紙が一通。

「これは?」

「エリス様からの手紙にございます」

封を開け、中身を読む。
そこには『明日午後に、庭園にてお茶会を開きます』、との内容が書かれていた。

気の乗らないお誘いに、思わずため息が漏れる。

こんな早くにお誘いがくるなんて。
断るにもなんの予定もない私には理由がないから、結局参加すると返事するしかないじゃないの。


「ナディ、エリス様に伝えて。明日の午後、承知致しましたと」

「かしこまりました。……あまり嬉しそうではありませんね」

「当たり前じゃない。できれば多く関わりたくないもの」


仲良くしたってどうしようもない。

タダでさえ王子と話をすることすら煩わしいのに、なおさら気を遣って他人と接するなんて、面倒以外の何物でもないもの。

重い気分のまま、王子の贈り物を開ける。

中には、蝶の形をした髪飾りが入っていた。
ほぼ総金製で、光に当たるとキラキラと輝きを放つ。

それを見て、またため息が出た。

さほど大きなものではないからとびきり派手ではないが、それでも高価なものには変わりはない。
それゆえ呆れて出た、ため息だった。

私なんかのために、この国のお金を使うのはどうかと思う。
こんなもの貰ったって嬉しくもなんともないのよ。

どうせなら困った人々に使うべきだと思うわ。


私は手に取ることなく、そのまま蓋をした。


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