華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
その的確な言葉に、ドキリと胸が跳ねる。
視線だけをエリスに向けると、変わらず笑みを浮かべたまま私を見つめていた。
「……いえ、そういう意味で嗅いだわけではありません」
「隠さなくてもよろしいのですよ、ソフィア様。あなたは元々王女様でしたもの、そう警戒するのは間違った行動ではありませんわ」
そしてエリスはそう言ったあと、まるで私を安心させるかのように進んで先に茶を飲み、カップの横に置かれた菓子をひとつ頬張る。
そしてひと言、『美味しい』と声を上げた。
エリスの言うことは間違いじゃない。
王族の人間である以上、どこで命を狙われるか分からないから、用心するに越したことはない。
ましてや自分は父の愛人のこともあり、より警戒して生活していた。
でも、今回は気づかれないよう、なるべく自然に振る舞ったつもりだった。
現に近くにいる使いの者たちには、気づかれた気配はない。
この人……、少し危険かもしれない。
なぜか漠然とそう感じてしまった。