華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
3日目の朝、眠い目を擦りベッドから起き上がる。
いつもはナディに起こしてもらっていたが、今日は珍しく自分から起きた。
ガウンを羽織り、閉まったカーテンを開ける。
早く起きてしまったかと思ったのだが、太陽の位置はいつも起きる時間とほぼ同じ高さ。
ナディはまだ部屋にやってきていなかった。
いつもならもう部屋に来ていてもいいのに、どうしたのかしら?
そう思いながら、窓を開け、朝の空気を身体全身に浴びる。
そのとき、部屋の扉が乱暴に叩かれた。
叩き方に嫌な予感を覚える。
私は急いで扉を開いた。
そこに立っていたのは、城内を見張る騎士のひとりだった。
息を切らしながら、その顔は逼迫している。
「いったいどうしたの?」
「不躾な訪問で申し訳ありません!ナディが……、ナディが階段から足を滑らせ落ちたのか、意識のない状態で発見されて……!」
「ええっ!?」
騎士の話に、一瞬で身体から血の気が無くなる。
ナディの意識がないって……!