あべこべの世界
 脂肪が1グラムもついてなさそうな締まった体にいつも高そうな服を着ていた。

 身長が180センチあってもわたしより体重が軽いのではないかと思うと、本当に自分のデブさが嫌になる。

 健二は大企業とまではいえないが、まあまあの会社の社長の息子で、二流の大学を遊びながら卒業したあと、父親の会社に当たり前のように入社した。

 道ですれ違う男性が必ずといっていいほどチラ見する直美の美貌と健二のイケメンぶりは絵に描いたような美男美女だった。

 性格まで二人はよく似ていた。

 なんて、二人の外見の足元にも及ばないわたしがこんなふうに言うのもなんだけど。

 会釈するわたしを無視する健二に私のプライドも少しは傷つく。

 こうやって性格も歪んでくるというものだ。

 わたしは外見だけでなく、心も醜い女になってしまったのだろうか。

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