あべこべの世界
 大切なのは外見よりも内面 

 などという言葉にわたしは激しい違和感を感じる。

 外見が悪いと人は卑屈になり内面も同じようになりがちなのが現実だ。

 幸運にも美人に生まれ、いつも愛されることしか知らない人が明るくポジティブな性格になるのは当然で本人の努力など関係ないが、その反対は大変だ。

 努力しないと明るくまっすぐな性格にはなれないのだから、人生って本当に不公平だ。

 美人に生まれるか、不美人に生まれるかで、人生のスタート地点が違うのだ。



「敏ちゃん」

 振りむくとスーパーの買い物袋を両手にさげた孝志が立っていた。

「ちょうど今から敏ちゃんのマンションに行こうとしていたところ」

 スーパーの袋から白ネギや白菜がのぞいている。

「朝子さんは何時ぐらいに来れるって?」

 今晩は朝子さんをよんでのしゃぶしゃぶパーティ。

「仕事が遅くなりそうで9時過ぎるかもって言ってた」

「そっか」

 孝志は重そうに両手に下げた買い物袋をよいしょと持ち直す。

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