あべこべの世界
「敏子さん、こんにちは」

 何度見ても心臓がドキッとする切れ長の目がこっちを見ている。

 私は反射的に

「直美は今日はまだ仕事してますけど」

 と会社の方の窓を指差した。

 その瞬間わたしは心臓が飛び出すかと思った。

 健二がそのわたしの人差し指をそっと握ったのだ。



 
「ぼく今日は敏子さんに用事があるんですよ」
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