あべこべの世界
 あり得ない。

 これが一番あり得ない。

 けれども今度は急に不安になった。

 もしこのまま世界が戻らなかったらどうなるのだろう?

 美人だと思われているこの世界はわたしにとって都合がいい。

 今まで経験したことがないほど男性がわたしに優しいのだから。

 食事だってずっと我慢してきた高カロリーの食べ物をどんどん食べていいのだ。

 タバコだって吸い過ぎを気にしなくていい。

 ただ、なんだかわたしはとてもひとりぼっちになってしまったような気がした。

 誰もあべこべになってしまったことに気づいてないのだから。

 いいや、それだけではない、あべこべになってしまったことで、みんな変ってしまった。
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