あべこべの世界
 突然涙が溢れてきた。

 この世界で私はたったひとりぼっちで、そしてわたしの周りの人たちはまるで別人になってしまった。

 わたしは猛烈に淋しく不安になり、ベッドに突っ伏してしくしくと泣いた。

 とても会社に行く気分にはなれず、わざとらしいかすれた声で仮病電話をする。

 出たのは同じ部署の同僚だった。

 切りぎわに

「体をよく冷やして、栄養のないものを取るようにね。お大事に」

 と彼女は付け加えてくれた。
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