あべこべの世界
「このあと公園でも行かない?」

 わたしはぬるくなったほうじ茶を飲みながら窓の外を見ていると、突然外の空気を吸いたくなった。

「雨が降っているし、敏ちゃん風邪ひいているからだめだよ」

「雨、やんでいるよ」

 雨はいつの間にかやんでいて、窓の雨しずくが太陽の光でキラキラ光っていた。

「それにわたし仮病だから」

 孝志は窓の外とわたしを交互に見て目を丸くした
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