あべこべの世界
知っている!彼女らのこの言動の意味を。
十年ほど前だとはいえ、わたしも女子高生だったのだ。
この一連の動作はイケメンを見る女の子の反応だ。
聞こえないはずのヒソヒソの内容がわたしにははっきりと聞こえるようだ。
見て、あの人かっこういい。
ほんとうだ。でも彼女いるよ。
ほんらい不細工の孝志はこの世界ではイケメンに見えるのだ。
わたしは隣なりを歩く孝志の横顔をまじまじと見つめた。
孝志はわたしの視線に気づき、「なに?」と微笑んだ。
「女子高生たちがみんな孝志を見てるね」
孝志は「そう?」と首をかしげる。
「うん。見てるよ。気づかないの?」
孝志は笑った。
「分かんないよ。そんなの」
不思議だ。
孝志は嬉しくないのだろうか?
十年ほど前だとはいえ、わたしも女子高生だったのだ。
この一連の動作はイケメンを見る女の子の反応だ。
聞こえないはずのヒソヒソの内容がわたしにははっきりと聞こえるようだ。
見て、あの人かっこういい。
ほんとうだ。でも彼女いるよ。
ほんらい不細工の孝志はこの世界ではイケメンに見えるのだ。
わたしは隣なりを歩く孝志の横顔をまじまじと見つめた。
孝志はわたしの視線に気づき、「なに?」と微笑んだ。
「女子高生たちがみんな孝志を見てるね」
孝志は「そう?」と首をかしげる。
「うん。見てるよ。気づかないの?」
孝志は笑った。
「分かんないよ。そんなの」
不思議だ。
孝志は嬉しくないのだろうか?