あべこべの世界
女子高生たちの群れを抜けると公園はもうすぐだ。

 飲みものの自動販売機の前で孝志は足を止める。

「何か暖かいものでも買って、公園で飲もうか?」

 春風が少し冷たく感じ始める時間になっていた。

 わたしはホットココア、孝志はホットコーヒーを買い、缶で手を温めるように両手で握った。

 公園内はジョギングをする人やベビーカーを押すお母さん達がちらほらといるていどだった。

 林試の森公園という名前がついているだけあって、公園というより小さな森の中を舗装された道が走っている感じだ。

「やっぱり緑の中は気持ちいいね」
 
 何度も一緒に来たことがあるこの公園を孝志はとても気に入っている。

 桜の季節にお弁当を持ってピクニックをすると気持ちがいい。
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