あべこべの世界
そのとき春風が桜の木を揺らし、雨雫がわたし達二人の上に落ちてきた。
慌てて木の下から走り出て、二人声を上げて笑った。
風がまた吹く。
孝志は着ていたジャケットのジッパーを首元まで上げて首をすくめた。
「寒くなってきたね。家に帰ろうか」
わたしはうなずき、手をつなぎ直した。
あべこべの世界になったおかげで、わたしは大切なことに気づかされた。
だからこのまま元の世界に戻らなくても良いかも知れない。
少なくともわたしには孝志がいる。
「ねえ、今日はなにかわたしが作る!」
わたしは繋いだ手をぎゅっと強く握った。
また春風が吹いた。
慌てて木の下から走り出て、二人声を上げて笑った。
風がまた吹く。
孝志は着ていたジャケットのジッパーを首元まで上げて首をすくめた。
「寒くなってきたね。家に帰ろうか」
わたしはうなずき、手をつなぎ直した。
あべこべの世界になったおかげで、わたしは大切なことに気づかされた。
だからこのまま元の世界に戻らなくても良いかも知れない。
少なくともわたしには孝志がいる。
「ねえ、今日はなにかわたしが作る!」
わたしは繋いだ手をぎゅっと強く握った。
また春風が吹いた。