ひとはだの効能
「ちょ、ちょっと待ってください。遊馬さん……」

 大きく見開いた瞳がゆらゆらと揺れている。 

「莉乃ちゃん、今日は葉月くんに言いたいことあったんだよね?」

 腰に手を当てて莉乃ちゃんを見遣ると、耳まで真っ赤にして慌てている。その様子を見て、俺は大きく息を吐き出した。 

「でも葉月くんも葉月くんだよ。ひょっとして莉乃ちゃんから言い出してくれるの待ってるの? なんだよ、威勢がいいのは見掛け倒し? 情けない」

「なんだと!?」

「葉月ダメっ!!」

 ガタンと大きな音を立てて立ち上がると、葉月くんが俺を睨み付ける。その拍子に、膝の上に置いていたプレゼントの箱がコロンと床に転がり落ちた。

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