夢から醒めた夢



「それに、こないだ本当に偶然、慎吾の相手だったヤツに逢ったんだ。ソイツ、愛梨ちゃんと慎吾が一緒にいるとこを見たんだって。2人の様子を見たら、もう納得するしかなかったって言ってた」

「たぶん、慎吾の鼻の下が伸びてたんだって」

「絶対そうだね。今、この場でも甘いんだから」



イヤ、この場でも甘いの意味が分からないけど。

態度か?表情か?

私には、違いが分からない。

ずっと同じように見えるし。

でも、慎吾くんも否定する訳じゃない。

放置でいいのだろうか。



「自分でもそういう自覚あるから、否定はしない」



私が考えていることが分かったのか、私に向かってそう言う。

イヤ、否定してよ。

私が恥ずかしいじゃない。



「うん、安心した。慎吾くんが相手だから色々心配したけど、大丈夫そうだね」



不意に菜緒がそんなことを言うものだから、なんだか泣きそうになってしまう。




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