夢から醒めた夢
それからも、色々と冷やかされたりもしたけど、なんだかんだ言っても祝福された。
そして、本当に何もなく静かだ。
付き合った当初、心配した女関係のいざこざは、友達が言い切った通り一切ない。
彼のスマホも、全然と言っていいほど鳴らない。
こんなに何もないものなんだ。
一緒に歩いていて、声をかけられることも少なくなった。
遠目から、あの人かっこいいって聞こえたりはするけど。
拍子抜けといおうか、なんというか……。
「ただいま」
「お帰りー。今日は早かったね」
「思ったより、早く会議が終わったからね」
一緒に暮らすようになってから、初めて彼の平日の時間の流れを知った。
母親と同じ会社とはいえ、母親はパートタイム。
それに、一緒には住んでいないから、忙しいのかも分からなかった。
正直言って、彼がどんな仕事をしているのかも知らなかった。