夢から醒めた夢



それからも、色々と冷やかされたりもしたけど、なんだかんだ言っても祝福された。

そして、本当に何もなく静かだ。

付き合った当初、心配した女関係のいざこざは、友達が言い切った通り一切ない。

彼のスマホも、全然と言っていいほど鳴らない。

こんなに何もないものなんだ。

一緒に歩いていて、声をかけられることも少なくなった。

遠目から、あの人かっこいいって聞こえたりはするけど。

拍子抜けといおうか、なんというか……。



「ただいま」

「お帰りー。今日は早かったね」

「思ったより、早く会議が終わったからね」



一緒に暮らすようになってから、初めて彼の平日の時間の流れを知った。

母親と同じ会社とはいえ、母親はパートタイム。

それに、一緒には住んでいないから、忙しいのかも分からなかった。

正直言って、彼がどんな仕事をしているのかも知らなかった。




< 122 / 140 >

この作品をシェア

pagetop