夢から醒めた夢



「……ほどほどにお願いします……」

「大丈夫。優しくするって」



そんな言葉と共に、私の身体に触れる。

優しくされてるのは分かっている。

乱暴にする訳じゃないし、傷つけられる訳でもない。

何より、すぐに快楽に溺れることになる。


私だって、こんなになるとは思わなかった。

最初から嫌悪感があった訳じゃないけど、好きでも嫌いでもなかった。

どうとも思っていなかったはずなのに。

いつの間に、こんなに好きになっていたのだろう。

彼の行動に恥ずかしさはあるけど、嫌だと思うことはない。

むしろ、私だってくっついていたかった。

彼が変わったと言うのなら、私だって変わった。

ここまで相手を求めることはなかった。

1度家に来た親には、
「あんたは男に興味がないのかと思っていた。そうじゃなくて安心したわ」
と、言われた。

1人と付き合ったあと、全然男の気配がなかったからだろう。




< 129 / 140 >

この作品をシェア

pagetop