夢から醒めた夢
私の心情を察しているかのように、鋭い一言が飛ぶ。
そういうこと言うなら、怖くなるようなこと言うなよ。
「逃げません」
逃げたって、母親がいる限り逃げ切れない。
だったら、最初から逃げない方がいい。
『いい心がけだな。明日、また連絡する』
そう言って、電話は切れた。
完全に、彼のペースに乗せられた。
母親と同じ会社ってズルい。
母親を使われたら、従うしかないじゃない。
「愛梨ちゃんっ」
「えっ?」
急に呼ばれて、ハッとした。
今、1人じゃなかった。
「誰だったの?」
結局、代わることなく長々と話しをしてしまった。
だから、菜緒も興味津々だろう。
知らない人ではないだろうと思っているし。
「影山慎吾」
「え?」