君が好きなんだ。
入社後の研修でも、自分から前に前にと言うわけではないのに目立っていた。それは一歩下がった目線で全体を見て的確に意見を言ったり、自分だって初めてのことばかりの中、他の同期のフォローもしていた。

配属先がラッキーなことに同じ部署になってからも私は何度も須田くんに助けられた。優しくて、でも流されることはなく、自分の意見をはっきりと言える姿に憧れた。

一目惚れだった『好き』は彼と話す度に、彼を知る度に『好き』は膨らんでいった。

「告白してフラレちゃってもさ。そこまでたまってた『好き』はさ、そんな簡単に減るもんじゃないし、消えるもんじゃない。てゆうか消したくないじゃない?せっかくの気持ちだもん」

「麻琴…」

切なそうに私を見つめる凛に私は笑顔を見せる。

「フラレた後もね?須田くん、変わらずにいてくれてるの。相変わらず優しくもしてくれるし、からかうときもある。同期として、まぁ、友達として?かな。助けてくれるし。あ、この前もね、苦手な後輩に誘われて困ってたら助けてくれたんだよ」

「須田…罪な男だね。自覚はないんだろうけど」

呆れたように呟いた凛に私は笑いながら同意した。


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