君が好きなんだ。
「ホントだよね。毎日隣の席で接してれば、『やっぱり好きだなぁ』って思っちゃうことはやっぱりあるのよ。今は私はそれでいいかなぁって」

「想いが届かなくても?ずっと須田に片思いしていくつもり?」

凛の質問に私は首をゆっくりと横にふった。それは凛は意外だったみたいで目を丸くしていた。

「…私だって、純子ちゃんみたいに将来結婚したいもの。自分が好きになった人に私を好きになってほしい。愛し愛されたい…」

「麻琴…」

「今はさ、須田くんのことまだまだ異性として 『好き』だけど、いつか、その『好き』の種類が変わって、友達として、とか人として、に変わって行ったら、また誰かを好きになれると思うんだよね。だからそれまで、ムリに『忘れないと』とか考えないようにしてるの。…心配かけてごめんね?」

「バーカ、心配なんかしてないよーだ」

照れたようにデコピンしてくる凛が私は大好きだ。

「あーあ、私も今男いないし。二人で街コンとか行っちゃう?」

「えぇー?」

凛は名前通り凛とした女性だ。男性にも人気があるのに。
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