可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
お互い笑い合うと、相川くんがそうだと言ってこんな事を聞いてきた
「俺、奈南美さんの親に挨拶しなくて大丈夫かな?」
「え?」
「いや、大事な娘さんと勝手に一緒に住んでるから、気になってたんだ」
「いいよ。そんな事しなくても」
「そんな事じゃないよ。将来の事もあるし、1回は挨拶しないといけないって思ってたんだ」
将来の事……
それは結婚の事だと分かってる
一緒に暮らそうとした時にも結婚前提だと言われて嬉しかったから
「じゃ、私も相川くんの親御さんに挨拶しないと」
「それは大丈夫。奈南美さんと一緒に暮らすって決めてから、うちの家族にはそれとなく言っておいたから」
「そうなの?」
「うん。だから、うちの家族は首を長くして奈南美さんに会う日を待ってるよ」
「そう、なんだ」
相川くんが私の事を家族に話してくれてたなんて
私もちゃんと話さなきゃいけない
先ずは、相川くんに
私の育った環境を
「相川くん」
「ん?」
「私が今から話す事、聞いてくれる?」
私の真剣な眼差しに相川くんは少し驚いていたけど、私は口を開いた
「私ね、1才まで乳児院にいて、それから10才まで児童養護施設にいたの。母が19才の時に私を産んで、1人じゃ育てられなかったから。10才の時に母に引き取られたけど、母は会社を経営していて私に構ってくれなかった。それに、いきなり現れた見ず知らずの人に『あなたの母親よ』と言われても、『お母さん』とは呼べなくて、未だにそう呼んだことはないわ」
いきなりの私の告白に、相川くんは目を丸くしていたが、私はそのまま続けた
「子供心にこのままじゃいけないと思ったのね。私は母に構ってもらおうと勉強も習い事も色々頑張った。でもどんなに頑張っても母は私より仕事優先で、誉めてもくれなかった。どんなにいい成績を残しても『なんで1番になれないの』としか言わなかったわ。私は段々諦めていった。母に期待する方が間違ってるんだって。だから、利用してやろうと思った。私が自立できるまで、この人の元を離れる時が来るまで。とことん……」
「奈南美さん」
「母が、私が大学を卒業したら、自分の会社で働かせようとしていたのは分かってた。でも私はそんな気さらさらなかったから、F社に入社した。母にはその事は一言も言ってなかったから、物凄く怒ったわ。あの人が感情をむき出しにしたのを見たのは、あの時が初めてだったわね。今思うと」
自嘲気味に笑うと、相川くんがぎゅっと抱き締めた
「社会人になってすぐにでも家を出ようとしたけど、母は許さなかった。あれだけほったらかしにしてたくせに、ふざけないでと思ったわ。そして毎日のように言われ続けた。F社を辞めて、うちで働きなさいと。入社して3年目になった頃、やっと家を出た。母に置き手紙を残して」
「なんて書いたの?」
私は相川くんに抱きついた
「『今までお世話になりました。私にかかった費用は、少しずつですが返していきますので、もう私の人生に口を出さないで下さい』って」
「そんな……」
「それ以来、会ってないわ。あの人と。だから、相川くん。私の家族に挨拶とか、そんなの気にしなくていいから。だから……」
そこまで言うと、相川くんは私の身体を組み敷いて、辛そうな顔をしながら私を見下ろした
「こんな私と、まだ結婚したいって思う?私、たまに思うの。私に子供が出来たら、あの人みたいな母親になるんじゃないかって。そうなったらどうしようって。凄く不安なの」
相川くんは私を強く抱き締めながら、噛みつくようなキスをした
私もそれに応えて、強く抱き締めた
その後は何度も抱かれて、私は何度も達した
結局私が気を失うまで、相川くんは私を抱き続けた
次の日の朝、私は相川くんの腕の中で目が覚めた
「おはよう。奈南美」
「おはよう……」
「奈南美」
「なあに?」
「俺と、結婚しよう?」
「え……?」
「返事は?」
「……はい」
私は子供のように声を上げて泣いた
相川くんは、そんな私を泣き止むまでずっと抱き締めていてくれた
「俺、奈南美さんの親に挨拶しなくて大丈夫かな?」
「え?」
「いや、大事な娘さんと勝手に一緒に住んでるから、気になってたんだ」
「いいよ。そんな事しなくても」
「そんな事じゃないよ。将来の事もあるし、1回は挨拶しないといけないって思ってたんだ」
将来の事……
それは結婚の事だと分かってる
一緒に暮らそうとした時にも結婚前提だと言われて嬉しかったから
「じゃ、私も相川くんの親御さんに挨拶しないと」
「それは大丈夫。奈南美さんと一緒に暮らすって決めてから、うちの家族にはそれとなく言っておいたから」
「そうなの?」
「うん。だから、うちの家族は首を長くして奈南美さんに会う日を待ってるよ」
「そう、なんだ」
相川くんが私の事を家族に話してくれてたなんて
私もちゃんと話さなきゃいけない
先ずは、相川くんに
私の育った環境を
「相川くん」
「ん?」
「私が今から話す事、聞いてくれる?」
私の真剣な眼差しに相川くんは少し驚いていたけど、私は口を開いた
「私ね、1才まで乳児院にいて、それから10才まで児童養護施設にいたの。母が19才の時に私を産んで、1人じゃ育てられなかったから。10才の時に母に引き取られたけど、母は会社を経営していて私に構ってくれなかった。それに、いきなり現れた見ず知らずの人に『あなたの母親よ』と言われても、『お母さん』とは呼べなくて、未だにそう呼んだことはないわ」
いきなりの私の告白に、相川くんは目を丸くしていたが、私はそのまま続けた
「子供心にこのままじゃいけないと思ったのね。私は母に構ってもらおうと勉強も習い事も色々頑張った。でもどんなに頑張っても母は私より仕事優先で、誉めてもくれなかった。どんなにいい成績を残しても『なんで1番になれないの』としか言わなかったわ。私は段々諦めていった。母に期待する方が間違ってるんだって。だから、利用してやろうと思った。私が自立できるまで、この人の元を離れる時が来るまで。とことん……」
「奈南美さん」
「母が、私が大学を卒業したら、自分の会社で働かせようとしていたのは分かってた。でも私はそんな気さらさらなかったから、F社に入社した。母にはその事は一言も言ってなかったから、物凄く怒ったわ。あの人が感情をむき出しにしたのを見たのは、あの時が初めてだったわね。今思うと」
自嘲気味に笑うと、相川くんがぎゅっと抱き締めた
「社会人になってすぐにでも家を出ようとしたけど、母は許さなかった。あれだけほったらかしにしてたくせに、ふざけないでと思ったわ。そして毎日のように言われ続けた。F社を辞めて、うちで働きなさいと。入社して3年目になった頃、やっと家を出た。母に置き手紙を残して」
「なんて書いたの?」
私は相川くんに抱きついた
「『今までお世話になりました。私にかかった費用は、少しずつですが返していきますので、もう私の人生に口を出さないで下さい』って」
「そんな……」
「それ以来、会ってないわ。あの人と。だから、相川くん。私の家族に挨拶とか、そんなの気にしなくていいから。だから……」
そこまで言うと、相川くんは私の身体を組み敷いて、辛そうな顔をしながら私を見下ろした
「こんな私と、まだ結婚したいって思う?私、たまに思うの。私に子供が出来たら、あの人みたいな母親になるんじゃないかって。そうなったらどうしようって。凄く不安なの」
相川くんは私を強く抱き締めながら、噛みつくようなキスをした
私もそれに応えて、強く抱き締めた
その後は何度も抱かれて、私は何度も達した
結局私が気を失うまで、相川くんは私を抱き続けた
次の日の朝、私は相川くんの腕の中で目が覚めた
「おはよう。奈南美」
「おはよう……」
「奈南美」
「なあに?」
「俺と、結婚しよう?」
「え……?」
「返事は?」
「……はい」
私は子供のように声を上げて泣いた
相川くんは、そんな私を泣き止むまでずっと抱き締めていてくれた