今日から家族になりまして。



「……呼び捨て」




ふと、私はそう言う。




すると、彼は




「あ、ごっ……ごめん!ちょー偉そうだった俺!!」




って言って、ものすごい慌てよう。




無意識だったのか?




「別に、「ちゃん」つけられるとキモいから「陽菜」でいい。」




私がそう言うと、しばらくの間ができる。




そして……




「えっ?」




と、驚いたような声が聞こえた。




そして、私はドアノブに手をかけ、何事もなかったかのように扉を開け部屋に入った。




あとのあの人の反応は知らない。




『空』




私はあの人の名前を




ちゃんと呼べる時は来るのだろうか。


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