結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
かと言って、あまりにも社長と釣り合わないファッションをするわけにもいかないしな……。

マシンの中でとろけたチョコレートを見下ろし、腕を組んで唸っていると、見兼ねた咲子ちゃんが口を開く。


「社長の好みも大事ですけど、やっぱり綺代さんに似合ってなくちゃ意味ないと思うんです。だから、一緒に服を選びに行きましょう!」


ニコニコしてアドバイスしてくれるマシュマロ女子の彼女は、やっぱり可愛くてほっこりする。

同じリケジョでも女子力が高く、愛くるしい見た目と性格から、私より断然モテるのだ。そんな咲子ちゃんなら、きっと素敵なコーディネートをしてくれるはず。

私も表情を緩め、「そうね。お願いします」と、うやうやしく頭を下げた。


その週の土曜日、約束通り咲子ちゃんとみなとみらいの街をぶらぶらし、あれでもないこれでもないと服選びに奔走した。

最終的に決めたのは、シフォン素材のノースリーブのミモレ丈ワンピース。その上に、袖を通さずカーディガンを肩にかけるスタイルがいいらしい。

なんでも、ほど良い露出感が色っぽくて女らしいのだとか。咲子ちゃんがいろいろなサイトで検証した結果だというから、一般的に男性受けするスタイルだと言っていいのだろう。

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