結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
現れた社長を見た瞬間の私は、マンガにしたらおそらく目がハートになっていることだろう。

ラフに崩されたヘアスタイルの彼は、白いサマーニットの上に七分丈のジャケットを羽織ったスタイルで、文句なしにカッコいい。

感動したのはセンスの良い私服姿を初めて見ただけでなく、彼の手には色鮮やかな花束が持たれていたから。


「誕生日おめでとう」

「素敵……ありがとうございます!」


麗しい笑みを讃えて、ミニヒマワリが入った夏らしいアレンジメントを差し出され、私は感激しながら受け取った。

男性からのお花のプレゼントって、実際にされるとこんなに嬉しいものなんだ。ひいき目でも社長が王子様に見える……。


「こんなに花束が似合う男の人、初めて見ました」


真顔で正直な感想を口にすると、彼はおかしそうに小さく笑う。


「君ほどではないですよ」


私を褒める社長は、ここが玄関先ということで紳士的な態度を徹底している。かと思いきや、私の耳に顔が近づいてきて、こう囁いた。


「……いや、お前が持つと花束のほうが負けてる」


こっ、こんなキザなお世辞を囁かれたって、ときめいたりしないわよ。ときめくだけ無駄なんだから。

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