結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
横浜にもコスモワールドがあるから観覧車などは見慣れているのに、初めての場所に、しかも好きな人と来たというだけでテンションが上がる。

車を降りた私は、だいぶ暗くなった空にライトアップされる乗り物やお店を見渡して、感嘆の声を上げた。


「遊園地なんて来たのいつぶりだろう……!」

「俺は三年振りくらいだな」


隣に並んでなにげなく言う社長に視線を移し、それは元カノさんとなのかな、とふと考える。

それだけで胸がチクチクしてくるから、余計な思考は振り払い、なにも気にしていないフリをしてゲートを潜った。

しかし、園内を歩く人がまったく見当たらない。平日だとしても、ひとりもお客さんがいないのはさすがにおかしい。

私はキョロキョロと怪訝に辺りを見回しながら、独り言のように呟く。


「なんで人が全然いないんだろう」

「あぁ、貸切にしたから」

「へっ!?」


さらりと口にされたひとことに、私は仰け反る勢いで驚愕した。

私のためだけに貸切っちゃったの!? そんなことをしてくれる人が現実にいらっしゃるとは……。さすが社長様!

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