結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。

恋人作成方法その3・惚れ薬入りチョコレート


電撃的なプロポーズから二日後の日曜日、さっそく達樹さんとデートの仕切り直しをした。

ちょっぴりリッチなランチを食べて、元素の展覧会に連れていってもらって、横浜の街をぶらぶらして……という感じだったのだけど、最高に楽しくて幸せだった。

絶対元素には興味がないにもかかわらず、つまらなさそうにせず、むしろ一緒に楽しもうとしてくれた彼は、まさに理想の人。私はこんなに恵まれていていいのか、と不安になるくらいだ。


まだ夢見心地でいたいけれど、現実はそう甘くなく、月曜日がやってきてしまった。

でも、会社に行くのは憂鬱ではない。それはもちろん、達樹さんの姿を拝めるから。

恋人という存在は、これほどまでに心を豊かにしてくれるものなんだ、としみじみ思いながら出社した。

研究課の事務所に入るなり、私を見つけた咲子ちゃんが感激したような顔で駆け寄ってくる。


「綺代さ~ん!!」

「うわ、さっこちゃん!?」


彼女はマシュマロボディのふくよかな胸を押しつけ、熱い抱擁をかましてきた。

「よかったですね! ほんっとーによかったですね!!」とめちゃくちゃ喜んでくれている。この休み中に、咲子ちゃんと氷室くんには一応報告しておいたからだ。

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