彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
はじめてのオフ会

人生で初 ネットで知り合った人たちと会う ゲームを始めた時と同じ ちょっとした好奇心

GW初日。
職場がショップと併設していることもあってカレンダー通り。
三日休んで三日仕事に出る。それでまた三日休み。
世の中では九連休なんて人もいるみたいだけど、こういう感じだと普通の週末とさほど変わりがない。

でも。
後半の休み。ここにオフ会の予定が入ってる。

今日は特に予定もないからPCの電源を付けた。




《ログイン完了です》



フトモモ天使: こんにちはー^^



……って、誰もいない。
考えてみればそうだよね。
GWの昼間からゲームしようだなんて思わない。
ギルドのログイン状況を見れば見事に全員ログオフ。



「ハハ だーれもいないか」


そのまま生産をセットするとPCの前から立ち上がり飲み物を取りに冷蔵庫に向かった。
最近ではすっかりおなじみになった梅酒。
ジュンさんじゃないけど、それを飲みながらゲームをすることもある。
なんていうか安定剤みたいな感じ、それを飲むとよく眠れる気がする。
一時期眠れなかった時期があって、その時に飲んで眠れるようになってからはそれに頼っていると言ってもいい。
お酒に頼るなんてどうかと思うけど、心が落ち着くからしばらくはそれのお世話になってる。


「まだ早い時間だけど、梅酒飲んじゃおうかな」


グラスに氷を入れて梅酒を少しだけ注ぐ。
氷をゆっくり溶かしながら飲むのがお気に入り。

ちょっとずつゆっくり。

そう、主任に言われたことを今でも守ってる。
梅酒の味を覚えたのも。
ゆっくり味わって飲むお酒も。

全部、全部……

主任と出会ってから知った色々なこと。
それを考えて涙を流すことはさすがになくなったけど、やっぱり想い出す時間はまだ多い。

恋レベルを上げることは出来なかったけど、少しは大人になれたかな?


グラスを持ってPCの前に戻る。
画面を見れば挨拶をしているログが残っていた。
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