彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
ホテルのティールームの数人並んでいるところをそのまま通り過ぎたキューブさん。
入口の店員さんに「待ち合わせです」と告げて中を見渡す。


「あ、いた」


ほら、あそこと言われて目線をたどっていけば窓際の奥の席のほう。
そこには男の人が二人と女の人が一人座っていた。


「見つかりました。ありがとう」と丁寧に店員さんに告げて奥へと歩いていく。


女の人はこちらに背を向けていて、まだ見えない。
ショートカットだということだけはわかるけど、あれが雪姫さんかな?


「おまたせ」

「おおおおお。もしやきゅーちゃん」


きゅーちゃんって誰。
ていうか、こんな呼び方するのはむぎちゃさん…か


「うわああああ。モモちゃんでしょ?」


うわーって何ですか?
私なんか変ですか?
立て続けに言ったたぶんむぎちゃさんをそのままにキューブさんは


「はじめまして、キューブです。とりあえず座るね?」


あっさりした挨拶をするとたぶん雪姫さんの隣に座る。
ホテルのティールームなんてくることないし、ちょっと緊張していた私はその場で立ち尽くす。


「モモちゃんも、よかったらこっち座って?」


振り向いた女の人がやさしく座ることを促した。
確かにこんな所に立っていたら迷惑っていうか目立つよね。
言われようにあいている席に向かう。


「あ、はい。失礼します」


クスクスと笑う声が聞こえてきて、あわてて前を見ると…
ちょっと怖そうなお兄さんとその隣にはきれいな顔立ちの男の人。
ゾロさんとむぎちゃさん、だよね?
ていうかイメージしてたのとなんか違うっていうか。
ゲームしてるって感じの男の人じゃなくて。
いや、ゲームしてる男の人のイメージとかけ離れているっていうか。

だってメガネかけててちょっとダサ系の男の人とかじゃないの?
それはオタクって呼ばれる人?

あぁきっと私のイメージがかなり偏っていたのかもしれないと初めて思った瞬間だった。
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