彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
望亜奈さんから逃げるようにロッカールームを出てコンビニへと向かう。

あーあ。おいしいランチ食べたかったなぁ。

仕方ないからお弁当と飲み物を選ぶ。

あーたぶん休憩もないだろうし、なんか非常食でチョコとか買っとく?って思ってお菓子コーナーへ。

五月だし、車移動してたらチョコ溶けちゃう?

チョコじゃなくて栄養補助食品的な何かの方がいい?

散々迷って選んだのはお子様の健康に大切なカルシウムがとれる赤い箱。

イチゴ味とか麦芽入りなんてのもあるんだ。と関心しつつふと思う。


主任、お昼食べる時間あるのかな?


今日消費しなくてもとりあえずいい食品。ゼリータイプのアレを買ってみる。

いらないって言われたら机にしまっておけばいいしね。


ていうか。
そこまで心配してあげなくても十分大人だよね?主任。


んー。
ま。いっか。


お腹すいたし、ご飯ご飯。

思ったよりも沢山になったカゴをカウンターにおいて会計をしてもらう。


早めに食べ終わったら私服に着替えて歯磨きして。メイクも直さないとね。


あ、なんか私ちょっと営業っぽくない?なんて思ったりして。


あくまで私は主任に“同行”ってだけで。私が営業するわけじゃない。

そんな事を考えながら歩いていればすぐそこは事務所で、


やっぱり主任はさっき出て行ったときのまま。

眉間のシワがより深くなったような気さえする。


「主任はお昼、しないんですか?」

「……、もうお昼でしたか」


やっぱり気づいてなかったんだ。

お昼出るとき声かければよかったと少し後悔したけど。


「あの、これよかったらどうぞ」


さっき買った栄養補助食品で。

何も食べないよりはましだよね?
< 75 / 439 >

この作品をシェア

pagetop