彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
「だからいつも朔也に店に来るように言われるんです」
ため息を付きつつ主任がポツリと言ったけど、
この前朔也さんが、かなり強制的に来るように言ってたのは、主任の身体の心配をしてたからなのか。
確かに主任ってそういうの気にしなそうだし。
一日外回りって時、食べてるのかさえ謎。
食べてないんだろうなぁ……
「私だったらもう来なくていいって言われるまで行っちゃいますよ?だってすごくおいしかったし、幸せな気持ちになれますから」
「そんなにですか?」
「はい!」
「それ朔也に直接言ってください。きっとデザートつけてくれますよ」
主任はそう言うとポケットから携帯電話を取り出した。
「朔也との約束今日はどうですか?」
朔也さんと?約束?
なんかしたっけ?
まさか、
夜の時間に来てくださいってやつ?
「夜の時間に、」
「え?!あれって、社交辞令じゃなかったんですか?」
「まさか」
「……私は、大丈夫ですけど、」
主任はいいんですか?って言葉を飲み込んでしまったのは、主任が手に持った携帯ですばやくメールしてたから。
ん?ていうか主任とディナー?
うっそ。ランチは一時間もなかったからいいけど、ディナーってそんなに早くは出てこないだろうし。
えっと。なに話したらいいんだろ?
っていうか。え?!
「連絡だけしておいたので、そのうち返事が来るでしょう。とりあえずもう出れますか?」
「……」
「天ヶ瀬さん?」
「あ、はい。カバン持ってきます」
んー。なんだろ。これ。
なんで主任と夕ご飯とか行くことになってるんだろ?
主任ってこんな感じだったっけ?