キミは俺のモノでしょ
「お兄ちゃん……」

「なに」


わたしの問いかけに真顔になる。

きっとこの瞬間にはわたしの言いたいことが全部わかっているクセに、知らないフリをして澄ましている。


はやく、出て行って。

なんでわたしの部屋にいつまでもいるの?


そう願ってること、気づいてるにきまってる。

気づいてるからこそ、自室に戻らない。


「うらら」

「……!!」


兄が、パジャマのボタンに手をかけてくる。
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