キミは俺のモノでしょ
「あーあ。田村のやつ」

「しゃーねぇ。放課後カラオケでも行くか」


「カラオケ? 行くの?」


「あっ、うららは来なくていいからねぇ」

「さっさとくっついて来やがれ」


「……っ、そんなこと言われても」


あんなに拒絶されたのに。

くっつくどころか、元の距離感に戻れるかすらも危うい。


「あんたの頭の中、誰がいる?」

「え?」

「いなくなっちゃったお母さん?」

「……!」


違う。

お母さんも心配だ。


だけど、今、いちばん占めてるのは……


「……お兄ちゃん……」


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