キミは俺のモノでしょ
「お兄ちゃん……!」


入ると、苦しそうにベッドに眠っているお兄ちゃんの姿が目に飛び込んできた。


「大丈夫……?……っ、あつ、」


身体に触れると熱い。


ものすごい高熱だ。

息が、荒い。

それに、すごく汗をかいている。


「……うらら、なにしてんの」


こっちの台詞だよ。

なんで一人で苦しんでるの?


「水分は? とった?」

「……とってない」


もしかして朝からなにも口にしてないの?


「待ってて」


体温計を持ってきて兄の脇に挟む。

その間にグラスにスポーツドリンクを注ぎストローをさしていると、ピピッと音が聞こえてきた。


体温計に目を向けて驚愕する。


「よっ……40.2℃……」
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