キミは俺のモノでしょ

嘘でしょ?

高すぎる。

こんな高熱、わたし、出したことないかも。


「すごい熱だよ?……ほら、これ飲んで」


ストローを口元に持っていく。


「いらない」

「そんなこと言わないで……。水分とらなきゃ死んじゃうかもしれないよ!」

「…………」


ごくごくと、寝転んだままスポーツドリンクを飲む兄。


汗ばむ肌とか。


のどぼとけ、とか。


苦しげな表情までも、わたしをドキドキさせる。


何考えてるの……わたし……


兄は不調だっていうのに。


「……もういらない」


そういわれてグラスをベッド脇のサイドテーブルに置いた。


「吐き気あったりする?」

「そういうのは、ない。ただただ身体がだるい」

「だるいの?」

「夜中、関節が痛くなって……悪寒がして」

「完全に風邪の症状だね」


もしかして昨日――雨に濡れたから?


だとしたら、わたしのせいだ。
< 380 / 438 >

この作品をシェア

pagetop