キミは俺のモノでしょ
嘘でしょ?
高すぎる。
こんな高熱、わたし、出したことないかも。
「すごい熱だよ?……ほら、これ飲んで」
ストローを口元に持っていく。
「いらない」
「そんなこと言わないで……。水分とらなきゃ死んじゃうかもしれないよ!」
「…………」
ごくごくと、寝転んだままスポーツドリンクを飲む兄。
汗ばむ肌とか。
のどぼとけ、とか。
苦しげな表情までも、わたしをドキドキさせる。
何考えてるの……わたし……
兄は不調だっていうのに。
「……もういらない」
そういわれてグラスをベッド脇のサイドテーブルに置いた。
「吐き気あったりする?」
「そういうのは、ない。ただただ身体がだるい」
「だるいの?」
「夜中、関節が痛くなって……悪寒がして」
「完全に風邪の症状だね」
もしかして昨日――雨に濡れたから?
だとしたら、わたしのせいだ。