ケーキ屋の彼
「お待たせ、柑菜ちゃん」
キッチンを出て約40分ほどで、ケーキを持った櫻子が帰って来た。
「こちらです」
櫻子は、扉の外の誰かに向かって話しかけている。
柑菜は不思議に思い、扉の方をじっと見た。
人影が近づいて来るのが分かる。
「えっ……」
ーーま、まさか?!
そこには、紛れも無い、本物の柑菜の片思いの相手の秋斗がいた。
その後ろには美鈴の姿もある。
またその後ろには、柑菜にとっては非常に気まずい相手である涼がいた。
「みんなも呼んでしまいましたわ」
櫻子は、ニコッと笑う。
「お呼びいただきありがとうございます」
秋斗は、櫻子と柑菜にそれぞれ会釈をする。