ケーキ屋の彼
一方、櫻子と柑菜は秋斗の横顔を見つめる涼を見つけてしまっていた。
「ねえ、怪しくない?」
「本当ね、視線もなんだかいつもと違う感じが……」
涼は2人の様子に気が付くことはなかった。
「ねえ、それより、海楽しみだね」
「ええ、今日の夕食はカレーよね?」
「そう、みんなで作るカレーライス。夏って感じ」
涼から視線を外した2人は、これからのことについて話して盛り上がる。
すると、2人の隣に座っていたおばあさんが2人に話しかけた。
「おやまあ、楽しそうだねえ」
そのおばあさんは、人懐っこいにこやかな笑顔を浮かべる。
2人は、そのおばあさんに同じような表情で話し返す。
「はい。これから海に行くんです。夏休みだし楽しもうって」