ケーキ屋の彼
「うん……少しの間だけ。ねえ、オレンジ買っていかない?カレー食べたあとに食べたらスッキリすると思うんだ」
「いいと思います、オレンジならきっとみんな好きだと思うし」
「うん、そうだね」と頷きながら、秋斗はオレンジを3つ手に取り、カゴに入れる。
2人がリストを見てみると、あとは個人個人のものと思われるもののみが残っていた。
柑菜はふと『なんだか、新婚みたい』と、カートを押して歩く自分たちを見て、1人で妄想してしまう。
今日だけじゃなくて、これからもこうやって2人で何気ない時間を送ることができたら、と柑菜は密かにそう願った。
そこからはあっという間に、リストのすべてのものをピックアップした。
「あとはレジに持って行くだけだね」
柑菜は少し名残惜しい気持ちを抱えながら「そうですね」と返した。
秋斗が同じ気持ちでいてくれたらいいのにと、柑菜は思う。