夢を追え!!

イライラした感情が湧き続けるのを自覚したまま、足を進める。

私が行くのと、みんなが行くのを同じにしないでほしいわ。

幼なじみ舐めんじゃないわよ。

「愛華?」

「兄さん…」

買い出し途中?の兄に呼び止められる。

もうお店もすぐだった。早足で来ちゃったみたい。

「雪兎、ずっと寝てるんだって。今日は帰れよ」

「ゆきが寝てるなんて今更じゃない。身の回りのこと手伝ってあげなきゃ」

兄はふっと表情を引きつらせる。

「あのな、お前は雪兎の友達だよな」

「親友!」

「どっちでもいいわ!…とにかく!今日は帰れ」

「なんで兄さんにそこまで言われなきゃいけないわけ!?」

「雪兎が嫌がってるからだ!!今日は青羽と直矢以外に会いたくないって伝言なんだよ。親友だっていうなら、雪兎の気持ちも考えてやれよ」

兄の言葉に、目の前が真っ暗になる。

なんで、ゆき。私まで拒絶するなんて、今までずっとそんなことなかったのに。
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