夢を追え!!

「あのさ」

不意に望は口を開く。

足を止めると、望は大きなため息をつく。

「彰矢はただ、ゆきくんのこと心配していただけ。あんな突き放し方、しないであげなよ」

「私は別に突き放したわけじゃ…」

「そう聞こえる言い方をしたって言ってるの。あなたはゆきくんのこと、家庭事情含めて全部知ってるかもしれないけど、だからってあんな言い方、聞いてる側は苛つくわ」

望は早口で言い切ると、更にため息をつく。

「ゆきくんが私にした拒絶と、あんたがやったことは別物よ。あと、店の準備で迷惑になるってなら、あんたが行くのも本当は迷惑なんじゃないわけ?私、やっぱりあんたのこと好きになれない」

「っちょ…」

好き勝手言って立ち去っていった望に、怒りが湧いてくるのが分かる。

何よ、あんなやつ。
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