限りなくリアルな俺様参上!
アイツ、機嫌直ったか?

ゆうり。

全く喜怒哀楽の激しいヤツ。

俺は主任に呼ばれた。

「入江、今日午後高峰と回って来い、頼んだぞ。」

「はい、わかりました。」

主任の代理ってことで

得意先へ顔出しに行くことになった。

しかもアイツと一緒にだ。

「ゆうり、車回してくるから、エントランスで待ってろ。」

「ラジャー!」

さっき変に高ぶって言い合いしちゃったけど

入江くん、怒ってないのかな?

私は移動中に彼に誤った方がいいと思った。

「さっきはごめんね。私、言いすぎちゃって。怒った?」

「いや、おまえが泣くから、どうぜ何かミスって主任に叱られたんだろ?」

「失礼ね、ミスってないわよ。」

「そ、じゃ、何で泣いたんだ?」

「それは、その、大きな声じゃ、言えないことで。」

「大方、また彼氏に捨てられたんだろ?何度目?」

「そんなにハッキリ言わなくてもいいのに。」

「俺はおまえのことなら何でもわかるんだよ。」

「ふん、偉そうに言わないでよ。いつも女子社員に囲まれてヘラヘラしているくせに。」

「・・・・・」

「ごめん、私つい文句ばっかり言っちゃって。自分の事であなたに八つ当たりしちゃってごめんなさい。反省してます。」

「いいよ、別に。俺なんかじゃ、おまえの相手にならないんだろ?口を開けばいつもこうだからな。」

マズーい。

完璧怒らせちゃったかも。

「私って素直じゃないよね。折角あなたが気を使ってくれているのに冷たい事ばかり言っちゃって、何でかな?」

「ゆうり、男に捨てられやすい女だな。何でだ?」

「私がいつも相手の顔色をうかがっているせいかも。本当の自分を見せないからかも。」

「本当の自分って?何?」

「こんな風によくあなたとケンカ越しになっちゃうところとか、すぐ泣き虫になっちゃうところとか。」

「俺は何度おまえの涙を見たことか。俺になら平気で怒鳴るじゃないか、そうだろ?」

「それは相手があなただから、特に気を使わないでいられる同僚だからでしょ?」

「チッ。俺の評価は最低だな。彼氏には自分の弱い部分を見せないなんて、どういうことだよ、一体?」

「さあ?」

「さあも、クソも、ないだろ?」

「・・・・・」

「ゆうり、俺のセフレにならないか?」

私は頭に血が上った。

「何ですって?セフレって、それどういう意味で言ってんのよ?」

「別に大した事じゃないだろ?そんなに大声で怒鳴るなって。」

「あなたのセフレって、一体何番目のことを言っているのよ?冗談じゃないわよ。」

「だって、おまえ、今フリーだろ?」

「・・・・・」

ムッ!

いくら私が彼に捨てられてフリーだからって

そんな風に念押ししなくてもいいのに。

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